雲の生まれるところ

    • 永井宏
    • 愉快のしるし
    • 2,420円(税込)
    • 型番:shin-001
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      • メール便可能
      • レターパック可能

愉快なことや楽しいことの意味を知ることができれば
そこに雨が降っても風が吹いても、
笑っていることができる

『愉快のしるし』に掲載している言葉は葉山にある「SUNSHINE+CLOUD」の通販カタログのために永井宏さんが書いたものです。1995年のオープン当初から年に2回発行しているカタログのテキストを永井さんが1号から2011年春の33号までのすべてを担当していました。

この本の編集をされているのは、『雲ができるまで UNTIL THE CLOUDSAPPEAR』1997年リブロポート、『夏の仕事 SUMMER WORKS』1998年メディアファクトリー、『モンフィーユ mont-feuille』2005年 アノニマ・スタジオ、『ABOOK OF SUNLIGHT GALLERY』2007年 アノニマ・スタジオと永井さんの書籍の編集をされてきた丹治史彦さん。丹治さんは永井さんが亡くなられてから、ご自身のツイッターに永井さんの言葉を掲載しています。

本のタイトルは大阪・星ヶ丘でSEWING TABLE COFFEEを営む玉井恵美子さんと一緒に考え、ブックデザインは新潟のF/style 五十嵐恵美さんと星野若菜さんと相談しながら作り上げたそうです。巻末に掲載しているカタログができるまでについての話は、永井さんのワークショプに参加していた及川佳寿美さんがSUNSHINE+CLOUDの高須勇人さんと永井さんの奥様、南里惠子さんに取材をして書かれています。

「この本は、永井さんが繫いでくださったほんとうにたくさんの人の助けをうけて生まれました。その意味でこの本は『人と人とをつなげることも、自分の表現のひとつ』と考えていた永井さんらしい、新しい作品にちがいありません」と信陽堂のHPに丹治さんが書かれています。永井さんのことをよくわかり、そして永井さんの言葉をまっすぐに見つめてきた丹治さんだからこそ作り上げることができた本だと読むほどに感じます。

いつも手に取れる場所に置いておきたい本、何かのたびに、または何もなくても頁をめくり、気にとまった言葉を声にしたくなる本、そして、人と人を繋いでくださった永井さんのように、時間をかけてたくさんの人にお伝えしていきたい本です。

編集:
信陽堂編集室(丹治史彦・井上美佳)
デザイン:
F/style(五十嵐恵美・星野若菜)+信陽堂編集室
校正:
猪熊良子
サイズ:
新書変形判上製(177ミリ×117ミリ)
ISBN:
978-4-910387-00-0 C0095

永井宏(ながい ひろし)美術作家。1951年東京生まれ。1970年なかごろより写真、、ビデオ、ドローイング、インスタレーションなどによる作品を発表。80年代は『BRUTUS』(マガジンハウス)などの編集に関わりながら作品を発表した。1992年、神奈川県の海辺の町に転居。92年から96年、葉山で生活に根ざしたアートを提唱する「サンライト・ギャラリー」を運営。99年には「サンライト・ラボ」を設立し雑誌『12water stories magazine』を創刊(9号まで刊行)、2003年には「WINDCHIME BOOKS」を立ち上げ、詩集やエッセイ集を出版した。自分でも旺盛な創作をする一方で、各地でポエトリーリーディングの会やワークショップを開催、「誰にでも表現はできる」とたくさんの人を励まし続けた。ワークショップからはいくつものフリーペーパーや雑誌が生まれ、詩人、作家、写真家、フラワーアーティスト、音楽家、自らの表現として珈琲焙煎、古書店、雑貨店やカフェ、ギャラリーをはじめる人などが永井さんのもとから巣立ち、いまもさまざまな実験を続けている。2011年4月12日に永眠。59歳だった。2019年『永井宏 散文集 サンライト』(夏葉社)、復刻版『マーキュリー・シティ』(ミルブックス)が相次いで刊行され、リアルタイムでの活動を知らない新しい読者を獲得している。(『愉快のしるし』より)

信陽堂 Shinyodo Edit Brico丹治史彦と井上美佳により2010年信陽堂編集室としてスタート、書籍、冊子などの編集、制 作を中心に活動。2019年には『永井宏散文集 サンライト』(夏葉社)を編集した。 2012年より「たねやグループ」(滋賀県近江八幡市)の広報誌「La Collina/ラ コリーナ」の クリエイティブディレクションを担当。東日本震災後には地元有志とともに「石巻 まちの本 棚」を立ち上げ、活動をサポートしている。また、自社スペース「信陽堂アトリエ」にて記 録映画の上映会や各種ワークショップなども企画運営している。 2020年には出版社としての活動も始動、その1冊目が『愉快のしるし』となる。 丹治は在籍したリブロポート、メディアファクトリー、アノニマ・スタジオでそれぞれ永井 宏さんの書籍を編集してきた。
信陽堂HP